

◆ベンチャー企業とは
新規性や革新性を持ち、高い成長性を目指して設立された比較的新しい企業の総称
「ベンチャー(venture)」の和訳:冒険や冒険的な事業、危険を伴う企業などの意味を持ちます。
もう少し掘り下げて説明すると、大企業では取り組まないような独自の技術やアイデアを活かして、新しいサービスやビジネスを創造する事業をしていることがベンチャー企業の定義とされています。
良い意味では高い成長性を持っていて、悪い表現を使うと安定性に欠けている企業という意味です。

一般的にベンチャー企業は設立から5年以内の企業を指しますが、明確な定義はありません。
なお、設立5年以内の企業が全てベンチャー企業に分類されるわけではありません。
◆ベンチャーではない例
フランチャイズで独立するなど、大手が提供する既存サービスをそのまま提供する業態はベンチャーではありません。

ベンチャー企業の定義と基準をプロフェッショナルな視点から解説します。
大手のまねごとをするビジネスの場合、革新的なアイデアや新しいビジネスモデルを持っていないため、ベンチャーではないという意見があります。
しかし、以下の観点からこの議論を整理することができます。
1. 模倣と革新性の関係
すべてのビジネスは何らかの形で既存のモデルを参考にしているものです。
重要なのは、そのビジネスがどれだけ新しい価値や差別化を生み出しているかです。
独自の工夫や新しいアプローチを取り入れている場合、それは模倣を超えて革新的とみなされることもあります。
2. 「革新性」の広義な解釈
ニッチな市場や新しいターゲット層にアプローチしている場合も革新性があると評価されることがあり、ベンチャーの定義は広義にわたると言えるでしょう。
簡単にまとめると新しさを感じないビジネスモデルだった場合でも、経営者などが独自の考えで戦略を考えて実行できるのであればベンチャー企業を名乗って問題ありません。

スタートアップ企業はベンチャー企業の一種ですが、ビジネスシーンでは明確な差別化がされています。
◆ 定義と目指すもの
・スタートアップ
既存にはない革新的なアイデアやビジネスモデルで急成長を目指しています。
事例:新しいアプリやサービスを開発し、スケールを狙うIT企業などがスタートアップ企業
・ベンチャー
既存のビジネスモデルや市場の中で、新しい価値を提供しようとする企業を指します。
◆ 成長期間とスピード
・スタートアップ
短期間で大きな成長を目指すビジネスモデルです。
ビジネスを展開するまでのスピード感が重要になり、必要に応じてまとまった資金調達をして短期集中の開発や大々的なプロモーションをします。
・ベンチャー
中長期的な成長を目指すビジネスモデルです。
◆ 競争環境
スタートアップは原則として競合がいませんが、分野によっては同時期にスタートアップするライバルが存在します。

ベンチャー企業を起業する場合、一般的に法人を新規設立することになります。
株式会社の場合は最低でも20万円。合同会社でも最低10万円ほどの設立費用が必要です。
また、法人は税申告が複雑で税理士や会計士を利用する必要性が高いため、相応の収益見込みがないと維持できません。
学生や主婦など一般の個人が起業する場合、個人事業主(フリーランス)から始めた方が無難です。
法人化のメリット:
会社の規模にこだわらないのであれば、学生や主婦がアルバイト・パートなどで貯めた少額の自己資金でもベンチャー企業を立ち上げることが可能です。
独立起業したい個人の場合、日本政策金融公庫からの公的融資で創業費用を調達する方法があります。
融資のポイント:
つまり学生や主婦、子育て中や介護で多忙な時間を過ごしているような人でも、ビジネスのアイデアとやる気があれば起業してベンチャー企業の社長になれます。
ただし法人を設立する場合は、維持費の問題などから失敗すると損失を出すリスクが高いので注意してください。
しっかりと市場の分析と事業計画を立て、たしかな自信がある中でチャレンジするとよいでしょう。

法人は個人事業主に比べて初期費用と維持費がかかるデメリットがありますが、社会的な信用性が高いです。
起業家が法人設立をする目的と理由の事例をまとめました。
起業したい場合は色々な人に相談することが大切です。
◆相談相手の例
家族、同僚、友人、取引先になる予定の会社、金融機関など
様々な人に相談して、慎重に事業計画を立てましょう。
会社設立する場合でも、やり方次第では少ない自己資金で開業が可能です。
しかし、素人が下調べをせず軽い気持ちで起業すると高い確率で失敗します。
融資を受けるつもりがない場合でも、金融機関などに相談して事業計画書を見てもらうとよいでしょう。
最初は反対やダメだしをされることが多いですが、現実的な問題を受け入れて一つずつ対策を講じて起業するのが成功への近道です。